レベル4新制度情報
レベル4飛行に向けた新たな制度整備(概要まとめ)
<まとめ表>
以下の表1は、2023年度から実施されるレベル4飛行に向けた新制度における進捗(令和3年度末)を、当事務所が1枚にまとめました。これは、以下のワーキンググループからなる「無人航空機の目視外及び第三者上空等の飛行に関する検討会」が、「小型無人機に関わる環境整備に向けた官民協議会」に令和4年4月20日に報告した資料を元にしています。
[1]機体の安全性確保(認証制度等)
[2]操縦者・運航管理者の技能確保(資格制度等)
[3]運航管理システム(空域利用のあり方を含む)
表1 レベル4飛行に向けた新制度進捗(概要)
参照資料:国土交通省 レベル4飛行に向けた新たな制度整備(概要)
<今後の予定>
1.機体認証制度
・機体メーカー等と密に情報を共有し機体開発の加速化を図りつつ、2022年度目途のレベル4飛行の実現に向けた第一種
機体認証の取得を目指す。そのために、本年7月までに機体の安全基準等を策定する。
・ 既存の許可承認制度の合理化・簡略化を図るため、本年7月までに運航形態のリスクに応じた安全基準の策定等を通じ、
第二種機体認証の取得を促進する。
2.操縦ライセンス制度
・2022年度目途のレベル4飛行の実現に向け、 2023年の早期に一等操縦ライセンスに係る学科及び実地試験を実施する
ため、本年7月までに、講習機関の登録基準、無人航空機操縦士の教則、試験問題サンプル等を策定する。
・既存の許可承認制度の合理化・簡略化を図るため、本年7月までに民間技能認証保有者等の経験者向けの講習要件を策定
すること等を通じ、二等操縦ライセンスの取得を促進する。
・2022年9月の登録に係る事前申請開始を目指し、本年7月までに、それぞれの登録講習機関となるために必要な要件
(実習空域、実習機、設備、教材、講師)を策定する。
3.運航管理体制
・リスク評価ガイドラインを策定し、これを用いて運航形態に応じたリスク評価を行い、飛行マニュアルを作成する。
レベル4飛行について
レベル4飛行とは、現時点(2022年4月末)では認められていない「有人地帯(第三者上空)での補助者なし目視外飛行」のことです。レベル1(目視操縦)→レベル2(目視自動)→レベル3(無人地帯での目視外自動)→レベル4(有人地帯での目視外自動)の順に進歩してきました。
以下の表は、無人航空機の飛行レベルのイメージ図を示しています。
レベル4飛行は、有人地帯上空を飛行するため、落下事故による被害・損害が大きくなる事が予想され、安心・安全な飛行を実現する対応が強く望まれています。そんな中、現在、レベル4飛行に関する @安全を厳格に担保する仕組みの整備 と Aその他の飛行に関する規制の合理化・簡略化が進められています。
出典:国土交通省:無人航空機の飛行レベルのイメージ図
機体認証制度の概要
機体認証制度の概要
○ 無人航空機の安全基準への適合性(設計、製造程、現状)を検査する機体認証制度を創設
○ 型式認証を受けた機体(主に量産機)については、機体毎に行う機体認証検査の全部又は一部を省略
○型式認証・機体認証は、第一種(レベル4相当)と第二種に区分し、有効期間は3年(第一種機体認証は1年)
型式認証
〇型式認証は主に量産機種を対象に行う。
〇検査主体:第一種は国、第二種は登録検査機関
〇第一種、第二種型式認証ともに、設計開発・製造過程を検証・審査する。
〇安全基準は、実証飛行試験を安全性の証明活動の主な手段とする 米国基準を参考とし、運航形態等のリスクに応じた 基準を策定・適用する。
機体認証
〇型式認証を交付された機体毎に検査し認証する。
〇第一種機体認証はレベル4に相当し、機体毎に検査する。第二種機体認証は場合により省略できる。
〇自作機体等の機体認証については、機体毎に設計開発・製造過程・機体認証を行う。
操縦ライセンス制度の概要
操縦ライセンス制度の概要
○ 無人航空機を飛行させるために必要な知識及び能力を有することを証明する制度(技能証明)を創設
○ 技能証明の試験は、国が指定する者(指定試験機関)が行う。国の登録を受けた講習機関の講習を修了した場合は 実地試験を免除
○ 技能証明は、一等(レベル4相当)及び二等に区分し、有効期間は3年とする。
〇講習は登録講習機関が実施
〇試験は指定試験機関(全国で1法人)が実施する
〇直接試験では、身体検査、学科試験、実地試験を実施
操縦ライセンス制度に関する登録講習機関
○ 登録講習機関は、レベルの異なる3種類の機関が存在
・一等(レベル4相当)までの講習が可能な機関
・二等のみの講習が可能な機関
・技能証明の更新に必要な講習が可能な機関
〇 上記3種の登録講習機関となるために必要な 要件(実習空域、実習機、設備、教材、講師)を策定し、既存ドローンスクールが、 夫々の能力に応じた登録講習機関のレベルを選択できるようにする。
○ 管理団体の枠組みを活用し、教材の提供や研修の実施、 講習内容の外部監査などを通じ、より多くのドロー ンスクールが登録を受けられるようにする。
運航管理要件の概要
運航管理要件(運航ルール)の概要
基本的な安全確保を目的として、レベル4飛行とレベル4未満の飛行のいずれにも共通で求める共通運航ルールを創設するとともに、レベル4飛行については運航管理体制を個別に確認する。
共通運航ルール
現行実施している許可・承認が必要な飛行に求められているルールと同じ
・飛行計画の通報:DIPSを通じて通報
・飛行日誌の作成:飛行場所、時間、整備状況
・事故報告の義務:国土交通省に報告
・救護義務
レベル4飛行に必要となる運航管理体制
基本的な安全確保に加え、運航形態に応じた安全対策を実施する。そのために運航形態に応じたリスク評価を行い、飛行マニュアルを作成し、遵守する。
リスク評価ガイドラインの策定
新たなリスク(第3者の上空、有人機との衝突)に対し、適切な対策(緊急手順や経路見直し)を講じる。
リスク評価の手法について具体化を図るため、今後、 諸外国における先進事例を参考にする。
弊所からのアドバイス
下記表から、弊所より関係者様へアドバイス!
<機体メーカー様へ>
・レベル4飛行を実現する機体を販売するには、第一種型式認証を得る必要があり、2023年初めまでに
“国”へ検査依頼する必要があります。
・第二種機体認証につては、2022年7月以降、取得を加速させましょう。
<操縦者、志願者様へ>
一等、二等共に、2022年7月までに、内容の策定結果が示されます。
・一等操縦ライセンス(レベル4相当)は、2022年7月までに試験問題サンプル等が策定されます。
・二等操縦ライセンスは、2022年7月までに講習要件が策定されます。
<操縦ライセンス制度に関する登録講習機関様へ>
・登録要件の一部は既に開示されていますが、2022年7月までに登録要件(実習空域、実習機、設備、
教材、講師)が策定され、明らかになります。管理団体との情報交換を密に対応する必要があります。